ブラジルのウェビナー「人工知能とデジタル人文学の時代の古典研究」で招待講演
10/22/2026
2026年10月20日、リオデジャネイロ州司法官学校(EMERJ)の古典学・法・歴史常設フォーラムと、ブラジリア大学の UNESCO Archai 講座(西洋思想の多元的起源)の共催により、オンライン・ウェビナー「Estudos Clássicos na Era da Inteligência Artificial e das Humanidades Digitais(人工知能とデジタル人文学の時代の古典研究)」が開催されました。同フォーラムの第12回の会合で、Zoom で行われ、EMERJ-Eventos の YouTube チャンネルで配信されました。ポルトガル語への同時通訳が付きました。
ブラジリア大学のガブリエレ・コルネッリ教授の招きにより、岩田直也(名古屋大学/国立情報学研究所)が冒頭の講演を担当しました。続いてブラジルの研究者3名——カルロス・グスタヴォ・ディレイト氏(リオデジャネイロ・カトリック大学)、アニゼ・フェレイラ氏(サンパウロ州立大学)、レナート・マトーゾ氏(リオデジャネイロ・カトリック大学)——が登壇し、フラヴィア・ヴァスコンセロス・アマラル氏(ウィニペグ大学)が討論者を務めました。
講演
岩田直也「Back to the Sources: Humanitext and Verifiable AI for Greek and Latin Texts」(録画の 15:29 から)
講演は、古典テクストについての流暢な回答も、根拠となる箇所までたどれなければ研究には使えない、という点から始まりました。この原則に立つ公開サービスとして Humanitext Antiqua と Humanitext Reader を紹介し、人間の読者と機械処理のために進められてきた数十年のデジタル化と、AI が検索し、推論し、引用できる形にテクストを整えるという新しい課題とを対比しました。
実演では、Antiqua にまずユスティニアヌス『学説彙纂』で正義がどう定義されているかを問い、続いて同じ会話のまま対象をコーパス全体に広げて、ウルピアヌスの定義がプラトンとアリストテレスの正義論とどう比べられるかを問い、引用箇所を Reader で開きました。あわせて、『学説彙纂』のテクストを Mommsen–Krueger の印刷本から整備した経緯、AI と人による確認の分担、Schmidt Sciences の支援で始まる知識グラフの計画についても述べました。

ブラジルの登壇者による講演と討論を含むウェビナーの全体は、EMERJ-Eventos の YouTube チャンネルで視聴できます。