人文科学とコンピュータ研究会(CH研)にて西洋古典のジャンル分類に関する研究を発表しました

5/18/2026

LLMを用いた西洋古典作品のジャンル分類構築の試み(発表スライドより)

2026年5月16日、大阪大学豊中キャンパスで開催された情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会(SIG-CH)第141回研究発表会にて、鈴木祐希(名古屋大学大学院 博士後期課程・Humanitextリサーチアシスタント)と岩田直也による研究報告「LLMを用いた西洋古典作品のジャンル分類構築の試み」(情報処理学会研究報告 Vol.2026-CH-141, No.11, pp.1-6)を発表しました。

西洋古典作品を扱う既存のデータベース(Wikidata、Perseus、Thesaurus Linguae Graecae など)では、作品のジャンル分類に形式(詩/散文)・主題・韻律などの異なる分類軸が混在しており、検索の利便性や分類の一貫性に課題があります。本研究では、独自に構築した2階層のジャンル体系をベースに、約2,500件の古典作品をLLMで自動分類する試みを報告しました。

本研究の特徴は、LLMを単なる分類の実行手段としてではなく、分類体系そのものの検証・改善ツールとして位置づけた点にあります。LLMに分類の推論過程と確信度を出力させ、確信度の低い事例や分類の揺れを体系的に分析することで、カテゴリの粒度や境界の曖昧さといったジャンル体系自体の問題点を特定し、体系の反復的な改善につなげています。整備されたジャンルのメタデータは、今後のHumanitext Antiquaにおける横断的検索や、西洋古典文献群の巨視的な分析の基盤となる予定です。